ホーム 芸能ニュース・ゴシップ 追い越しと追い抜きの違いとは?進路変更の有無と違反の境界線をプロが徹底解説

追い越しと追い抜きの違いとは?進路変更の有無と違反の境界線をプロが徹底解説

黒須 隼人 黒須 隼人 • 更新: • 公開: • 読了約 12 分
目次

日常的に車を運転していても、「追い越し」と「追い抜き」の法的な違いを正確に説明できるドライバーは決して多くありません。前を走る遅い車をパスする日常的な動作ですが、この2つの行為には道路交通法上で明確な線引きが存在します。万が一その定義を誤解していると、無自覚のまま交通違反として取り締まりの対象となり、反則金や違反点数を科されるリスクに直面します。

特に高速道路の複数車線や片側1車線の幹線道路、さらには朝夕の渋滞時におけるバイクの走行など、現場では判断に迷うシチュエーションが頻発しています。この記事では、2026年現在の最新道路交通法に基づき、両者の決定的な違いから見落としがちな禁止場所、罰則の詳細、そして現場で役立つ安全判断の基準までを徹底的に解明します。

【決定的な差】「進路変更」の有無が分ける追い越しと追い抜きの定義

追い越しと追い抜きの違い

追い越しと追い抜きの違いを分ける唯一にして最大の要点は、「進路変更(車線変更)を伴うかどうか」です。日常会話では同義語のように使われがちですが、法律上の扱いはまったく異なります。

道路交通法第2条第1項第21号において、追い越しは明確に定義されています。進行中の車両が他の車両等に追いついた際、その進路を変えてその車両等の側方を通過し、かつ、当該車両等の前方に出ることを指します。つまり、「①追いつく → ②車線を変更する → ③横を通り過ぎる → ④元の車線(または前車の前方)へ戻る」という一連のプロセス全体が追い越しに該当します。

一方で、「追い抜き」という単語自体は道路交通法の条文上に独立した定義語としては記載されていません。実務上・判例上では、「進路を変更することなく、進行中の前車の側方を通過してその前方に出る行為」を追い抜きと呼んで区別しています。例えば、片側2車線の道路で右側車線を一定速度で走り続け、左側車線を走る遅い車の横を通り過ぎて前に出るようなケースがこれに当たります。

この「車線変更ルール」が絡むかどうかが、後述する禁止区間や取り締まりの可否を分ける根本的な境界線となっています。

【2026年最新基準】違反点数・反則金と法的リスクの完全比較データ

警察庁の交通指導取締り基準に照らし合わせ、追い越しと追い抜きにおける法的扱い、適用される違反名、追い越し違反点数および反則金と罰則を体系的に整理した比較データは以下の通りです。

項目 追い越し(追越し) 追い抜き 編集部の法的見解・留意点
道路交通法上の定義 第2条第1項第21号に明記(進路変更を伴い前方に出る) 条文上の定義なし(進路変更を伴わず前方に出る) 進路変更の挙動が確認された時点で追い越しの規制が適用される。
追い越し禁止場所での適用 一律禁止(道交法第30条違反) 原則として可能(車線を跨がない場合) 複数車線のトンネル等では、追い抜きは合法だが進路変更を伴うと即違反。
左側からの通過 原則禁止(左側追い越し違反/道交法第28条) 可能(自車線を直進維持する場合) 左車線へ移って前車を抜き、再び右車線へ戻る行為は典型的な検挙対象。
主な違反点数 2点(追越し違反・追越し方法違反) 違反なし(安全運転義務違反等を除く) あおり運転とみなされた場合は即座に免許取消(25点以上)の危険性。
反則金(普通車) 9,000円(大型12,000円、二輪7,000円) 0円 反則金の未納や悪質・危険なケースでは懲役刑や罰金刑の対象となる。

上記の数値が示す通り、追い越しの手順や場所を一つ間違えるだけで、行政処分(点数加算)と刑事手続(反則金納付)がダイレクトに発生します。

【現場検証】知らずに捕まる「左側追い越し」と高速道路のキープレフト原則

高速道路の現場で最も検挙数が多く、ドライバーの不満やトラブルの温床となっているのが左側追い越し違反です。

道路交通法第28条第1項には、「車両は、他の車両を追い越そうとするときは、その右側を通行しなければならない」と定められています。したがって、前走車が遅いからといって、左側の車線へ移り、前車を抜いた直後に再び元の車線へ戻る動きは、完全に「左側からの追い越し」と判定されます。

SNSやドライバーのコミュニティでは、「右側の高速道路追越車線をとろとろ走っている車が悪いのに、なぜ左から抜いた自分が切符を切られるのか」という憤りの声が数多く見られます。しかし、警察関係者の現場証言によれば、法令解釈は極めて厳格です。

日本の道路網は大原則としてキープレフト原則(通常は最も左側の車両通行帯を走り、追越車線は追い越し時のみ使用する)によって規律されています。追越車線を走り続ける車は「通行帯違反(違反点数1点・反則金6,000円)」ですが、だからといって後続車が左側から追い越してよい免責事由にはなりません。違法状態に対して別の違法行為で対処することは法的に認められないのです。

ただし、自車がもともと左側の走行車線を適法な速度で走り続けており、車線変更を一切行わずに右側車線の遅い車の側方を通過して前に出た場合は「追い抜き」と解釈されるため、原則として違反には問われません。

一般に知られていない盲点とネットの誤解

ネット上の情報やドライバー間の口コミには、道路交通法を曲解した危険な誤解が散見されます。重大事故や取り締まりに直結する3大盲点を検証します。

1. 黄色の中央線(追越しのための右側部分はみ出し通行禁止)のリアル

道路中央に引かれた「黄色の中央線(実線)」を「追い越し禁止」と丸暗記している人がいますが、これは正確ではありません。正式名称は「追越しのための右側部分はみ出し通行禁止」です。

つまり、車道幅が十分にあり、黄色の中央線をタイヤが1ミリも越えずに前車の側方を通過できる状況であれば、法令上は前車を追い越すことが可能です(道路幅が狭い日本の道路環境では極めて稀ですが、原動機付自転車や自転車などをかわす場面では成立します)。反対に、白の破線であっても後述する「追い越し禁止場所」に該当していれば追い越しはできません。

2. トンネル内追い越しの落とし穴

「トンネル内は全域が追い越し禁止」という認識も不完全です。道路交通法第30条第2号において追い越し禁止場所に指定されているのは、「車両通行帯(車線境界線)の設けられていないトンネル」です。

片側2車線以上が確保され、白の破線などで車両通行帯が明確に区切られている高速道路などのトンネル内では、進路変更を伴うトンネル内追い越しが合法的に認められています。ただし、トンネル内は視認性が悪く事故発生時の危険度が跳ね上がるため、白の実線(車線変更禁止)で規制されている区間が多数を占めます。

3. バイクすり抜けのグレーゾーンと摘発基準

渋滞時に頻繁に見られるバイクすり抜けは、追い越し・追い抜きの境界線上で最も事故が多発する領域です。

直進しながら同一車線内で前車の横をすり抜ける行為自体は「追い抜き」の範疇と解釈される余地がありますが、以下のような挙動をとった瞬間に複数の違反が成立します。

  • 赤信号で停止している車の前に割り込む行為(割り込み等の禁止/道交法第32条違反・点数1点・反則金6,000円)
  • 道路左端の「路側帯(白の実線・破線外側)」を走行する行為(通行区分違反/道交法第17条違反・点数2点・反則金7,000円)
  • 車列の間をジグザグに進路変更しながら前へ出る行為(進路変更禁止違反・左側追い越し違反)

【プロの結論】安全運転と取締り回避を両立する行動判断基準

交通心理学の観点から見ると、無理な追い越しを試みるドライバーの心理には「先を急ぎたい焦燥感」と「前走車のペースに巻き込まれたくないフラストレーション」が存在します。しかし、一般道や高速道路において1台の車を強引に追い越したところで、目的地への到着時間は数分も変わりません。それに対して支払う事故リスクや行政処分のコストはあまりにも甚大です。

現場で迷った際に採用すべき判断基準を整理しました。

【実践すべきスマートなドライバーの行動基準】

  • 高速道路で前車が遅い場合:必ず右側の追越車線へウィンカーを出して進路変更し、安全な車間距離を確保して追い越した上で、速やかに左側の走行車線へ復帰する。
  • 左車線を走行中に右車線の車が遅い場合:そのまま自車線を一定速度で維持し、「追い抜き」の形で自然に側方を通過する(急な加減速や右車線への割り込みはしない)。
  • 見通しの悪い道路や交差点付近:前車が極端に遅くても、交差点手前30メートル以内や曲がり角付近などの法定禁止場所では一切の進路変更を控え、車間距離を保って追従する。

【絶対に避けるべきNG行動】

  • 左車線から急加速して右前方の車を抜き、ノーズをねじ込むような「左側からの追い越し」。
  • 黄色の中央線が引かれたワインディングロードで、対向車線にはみ出しての追い越し。
  • 渋滞の車列に対して、路側帯や路肩を利用したバイクの強引なすり抜け。

【追い越しと追い抜きの違い】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:片側2車線の道路で、左側車線をそのまま走って右側の車を前に出た場合、違反になりますか?
A1:違反にはなりません。自車線をそのまま走行し、進路変更を行わずに側方を通過する行為は「追い抜き」とみなされます。ただし、追い抜いた直後に前方の安全確認を怠って右車線へ急に割り込むと、進路変更禁止違反や安全運転義務違反に問われる可能性があります。

Q2:道路交通法で定められている「追い越し禁止場所」にはどのような場所がありますか?
A2:道路交通法第30条により、以下の場所が指定されています。
①「追越し禁止」の道路標識・標示がある場所
②道路の曲がり角付近
③上り坂の頂上付近や勾配の急な下り坂
④車両通行帯のないトンネル
⑤交差点およびその手前30メートル以内の場所(優先道路を通行している場合を除く)
⑥踏切、横断歩道、自転車横断帯およびそれらの手前30メートル以内の場所

Q3:原動機付自転車(50cc原付)や自転車を追い越す際も、自動車と同じルールが適用されますか?
A3:基本的に同様のルールが適用されます。ただし、軽車両(自転車など)を追い越す場合に限り、交差点や踏切などの手前30メートル以内であっても追い越しが法的に認められている例外規定(道交法第30条第3号・第4号)があります。原付(排気量50cc以下の原動機付自転車)は軽車両ではなく「自動車等」の区分に入るため、交差点手前30メートル以内での追い越しは禁止となります。

まとめ:正しい知識とゆとりある運転でリスクをゼロに

追い越しと追い抜きの決定的な違いは、「進路変更の有無」という極めてシンプルな事実に集約されます。しかし、その背後にある道路交通法の法理やキープレフト原則を正しく理解していなければ、知らぬ間に重大な違反を犯し、重大事故の引き金を引くことになりかねません。

取り締まりを恐れるためだけでなく、自分自身と同乗者、そして周囲の交通参加者の命を守るために、確かな法知識とゆとりあるメンタリティを持ったスマートな運転を徹底していきましょう。

同じカテゴリの記事

黒須 隼人

芸能・エンタメの発表事項を扱うライター。事務所の公式リリースと番組公式サイトを照合し、日付と固有名詞を必ず確認します。

おすすめの関連記事