仕事のスケジュール調整やプライベートの約束を交わす際、「再来週の、その次の週」を指す表現に迷った経験はないでしょうか。「再々来週」と言って相手に正確に通じるのか、それとも別の言い回しをすべきなのか、ふと疑問に感じる場面は少なくありません。
日常のカジュアルな雑談なら聞き返せば済みますが、納期やアポイントが絡むビジネスシーンでは、認識のズレが致命的なスケジュール事故に発展するリスクを孕んでいます。言葉の本来の定義から、ビジネスメールでのスマートな言い換え、英語表現、日程トラブルを未然に防ぐ実務テクニックまでを詳しく紐解いていきます。
【辞書と現場の真実】「再々来週」は間違い?国語辞典の定義と日常の認識ギャップ

「再来週の次の週」を表現する際、真っ先に思い浮かぶのが「再々来週(さいさいらいしゅう)」という言葉です。一部で「再々来週は造語であり誤用ではないか」という声も聞かれますが、主要な国語辞典(『大辞泉』『広辞苑』など)には明確に見出し語として掲載されています。
構造としては極めてシンプルです。「来週(1週間後)」の次の週が「再来週(2週間後)」であり、さらにその次の週であるため、接頭辞の「再」を重ねて「再々来週(3週間後)」となります。したがって、言語学・国語文法的な観点から言えば、「再々来週」という言葉自体は完全に正しい日本語です。
それにもかかわらず、なぜ多くの人が使うのをためらったり、不自然さを覚えたりするのでしょうか。そこには人間の時間認知と語感にまつわるギャップが存在します。
「再来週」までは日常会話で頻繁に使われるため直感的に「2週間後」と処理できますが、「再々」と重なると、聞き手が一瞬「あれ、2週間後だっけ? 3週間後だっけ?」と頭の中で計算を挟む必要が生じます。このわずかな認知負荷が、「伝わりにくい」「不自然だ」と感じさせる主因となっています。
【日程表現一覧】カレンダー週の数え方とビジネスでの言い換え比較
スケジュールの伝達では、現在の日時を起点として複数の表現が存在します。それぞれの言葉が指すタイミングと、ビジネス実務における明瞭さを整理しました。
| 表現 | 基準となる時期(現在を今週とした場合) | 一般的な基準・使われる文脈 | 編集部の見解・実務推奨度 |
|---|---|---|---|
| 再々来週 | 今週から数えて3週目の週(3週間後) | 口頭の雑談、カジュアルな日程調整 | 口頭では可。ビジネス文書では単独使用を避けるべき |
| 翌々々週(よくよくよくしゅう) | 特定の週を起点にして3週後の週 | 公的文書、プロジェクト管理資料 | 文字面が読みづらく誤読の恐れあり。推奨度は中 |
| 3週間後(の週) | 現在の日付から約21日後の週 | 会話全般、大まかな納期設定 | 直感的で分かりやすいが、日付の確定が必要 |
| 〇月〇日の週 / 〇月第〇週 | カレンダー上で特定された週(例:週初めの日付) | ビジネスメール、契約書、工程表 | 【最推奨】 誤解の余地が一切ない実務上のベスト |
表からも明らかなように、言葉としての正しさと「現場での伝わりやすさ」は必ずしも一致しません。週を数える概念は人によって感覚がブレやすいため、実務においては抽象的な呼び方を排除していく姿勢が大切です。
【実態検証】ビジネスメール日程調整で起きる「1週間のズレ」と現場の生の声
スケジュール調整の現場では、「再来週の次の週」にまつわるコミュニケーションエラーが後を絶ちません。実際に現場で起きたトラブルの事例や、ビジネスパーソンが抱く違和感の背景を調査しました。
プロジェクト進行の現場で頻発するのが、「週の起算点」と「タイミングの解釈」による食い違いです。
例えば、金曜日に取引先から「再々来週の月曜日に打ち合わせを」と言われた場合を考えてみましょう。送信者は「翌週を1週目、翌々週を2週目、その次を3週目」と捉えて24日後を想定していたのに対し、受信者は週末を挟んだことで「次の月曜日=来週」とカウントし、想定より1週間早い日程で準備を進めてしまったというケースが報告されています。
また、カレンダーの設定が「月曜始まり」か「日曜始まり」かによっても、日曜日の扱いを巡って「今週」なのか「先週」なのかの認識が分かれます。こうした複数の曖昧な要素が重なることで、1週間のズレという重大なトラブルが引き起こされます。
噂の真偽を徹底検証|「翌々々週」はビジネスで使っていいのか?
「再々来週」のフォーマルな言い換えとして、「翌々々週(よくよくよくしゅう)」という言葉を検討する方も多いでしょう。この表現の妥当性について検証します。
「翌週」「翌々週」に続く言葉として、「翌々々週」という表現自体は文法的に成立しています。書き言葉として記録に残す際、過去や未来の特定週を基準点として機械的に記述する場合には役立ちます。
しかし、実務のコミュニケーションにおいては避けたほうが賢明な表現と言えます。理由は2点あります。
1つ目は、「視認性の低さ」です。「々」が連続する文字列(翌々々週)は、パッと画面を見た際に「々」が何個あるのか一瞬で判別しづらく、読み飛ばしや勘違いを生みやすいデザイン的弱点を持っています。
2つ目は、「音読時の聞き取りにくさ」です。「よくよくよくしゅう」と口頭で発音すると、言葉の区切りが曖昧になり、相手に聞き返される手間を生じさせます。したがって、社内チャットやビジネスメールでの使用は控えるのがスマートです。
【誤解を防ぐ決定打】ビジネスメールで失敗しない日程連絡マナーと例文集
ビジネスにおいて最も重要なのは、「正確無比に相手へ伝わること」です。日程調整におけるトラブルをゼロにするための実践的なマナーと、そのまま使えるメール例文を紹介します。
日程を連絡する際の鉄則は、「相対的な週表現」と「絶対的な日付・曜日」をセットで記載することです。「再々来週」という言葉を使いたい場合でも、必ず具体的なカレンダーの日付を添えます。
【社外・取引先向けの日程打診メール例】
〇〇株式会社
営業部 〇〇様
平素より大変お世話になっております。
株式会社〇〇の[氏名]です。
先ほどお電話にてご相談いたしましたミーティングの件につきまして、
3週間後の週(〇月〇日の週)にて候補日を調整させていただきたく存じます。
恐れ入りますが、以下の日程の中でご都合のよろしい時間帯はございますでしょうか。
【候補日時】
・第1希望:〇月〇日(月)14:00~15:00
・第2希望:〇月〇日(水)10:30~11:30
・第3希望:〇月〇日(木)16:00~17:00
上記日程でご都合がつかない場合は、大変お手数ですが〇様のご都合の良い日時を2〜3候補ほどご教示いただけますと幸いです。
このように、「3週間後の週」といった大まかな目安を提示しつつ、候補日として「月日(曜日)+開始・終了時刻」を明記すれば、解釈の余地が一切なくなり、スムーズな合意形成が可能になります。
【グローバル対応】再来週の次の週を英語でスマートに伝える表現集
外資系企業や海外クライアントとのやり取りにおいて、「再来週の次の週」を英語でどのように表現すべきでしょうか。英語圏でも同様に、曖昧な表現を避けて具体的な日付を指定する文化が根付いています。
英語での主な表現パターンは以下の通りです。
- the week after next week(再来週の次の週:日常会話で使われるがやや冗長)
- in three weeks / in three weeks' time(3週間後に:期間を示す標準的な言い回し)
- three weeks from now(今から3週間後)
- the week of [Month Day](〇月〇日の週:ビジネスで最も推奨される表現)
例えば、「再来週の次の週の月曜日に話しましょう」と言いたい場合は、以下のように表現します。
「Let's schedule our meeting for the week of October 19th, preferably on Monday, October 19th at 2:00 PM.」
英語圏では「再来週の次」を1単語で表すスマートな単語は存在しないため、「the week of + 週の初日の日付」を用いるのが最もプロフェッショナルで誤解のないスタンダードな手法です。
【プロの結論】コミュニケーションコストをゼロにする「伝達の境界線」
日程調整におけるコミュニケーションの質は、ビジネスパーソンとしての信頼性に直結します。「言葉の正しさ」だけに固執するのではなく、相手の認知的負担を減らし、ミスを未然に防ぐ配慮ができるかどうかが分かれ目となります。
【曖昧な表現を使っても問題ないケース】
- 親しい同僚との口頭での雑談や、大まかな時期の目安を共有するだけの段階
- 「再々来週あたりに一度飲みに行こう」といった、後から具体的な日程を詰め直す前提の会話
【具体的な日付指定を徹底すべきケース】
- 取引先やクライアントとの公式なアポイントメント調整
- 納期、契約締結日、リリース日など、遅延が損害を生むプロジェクト管理
- 時差やカレンダー文化が異なるグローバルチームとのやり取り
言葉の定義を知った上で、実務ではあえて「日付+曜日」という絶対座標を用いること。これこそが、コミュニケーションエラーを根絶するための実践的な判断基準です。
【再来週 の 次 の 週】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:「再々来週」は目上の人への敬語表現として使っても失礼になりませんか?
A1:文法的に失礼な言葉ではありませんが、相手に「何日頃か」を考えさせる負担を強いるため、ビジネスマナーとしては配慮に欠けると受け取られる可能性があります。目上の方へ連絡する際は「〇月〇日の週」や「〇月〇日(〇曜日)」と明確な日付でお伝えするのが適切です。
Q2:「3週間後」と「再来週の次の週」は完全に同じタイミングを指しますか?
A2:厳密にはニュアンスが異なります。「3週間後」は今日を起点として21日後を中心としたスパンを指すことが多いのに対し、「再来週の次の週」はカレンダー上の該当する1週間(月曜〜日曜など)全体を指します。週の何曜日に発言したかによって微妙なズレが生じることがあります。
Q3:カレンダーの「第3週」と「3週目」は同じ意味ですか?
A3:異なります。「第3週」はカレンダーの月初の第1日曜日(または月曜日)から数えた「その月の3つ目の週」を指すのが一般的です。一方、「3週目(3週間後)」は現在の日付から数えて3つ目の週を指すため、月初と月末では指し示す日程が全く別物になります。混同を避けるためにも日付を明記してください。
Q4:チャットツール(SlackやTeams)で日程を指定する際の一番スマートな書き方は?
A4:「再来週の次の週の火曜」と書くのではなく、「再々来週 10/20(火) 14:00〜」のように、相対的な目安を添えつつ「月日(曜) 時間」をコンパクトに記載するのが最も視認性が高く親切です。
まとめ:曖昧さを排除したスマートな日程連絡で信頼を勝ち取る
「再来週の次の週」を指す「再々来週」という言葉は、辞書にも載っているれっきとした日本語です。しかし、日常会話では通じても、厳密さが求められるビジネスの現場では認識違いを生むリスクを抱えています。
日程連絡における最善の策は、言葉の巧みさに頼るのではなく、「〇月〇日(〇)の週」や具体的な日付・曜日を必ず併記することです。相手への丁寧な配慮を行き届かせたスケジュール調整を実践し、スムーズで確実なビジネスコミュニケーションを築いていきましょう。