大相撲の土俵において数々の奇跡的な復活劇を成し遂げ、第73代横綱として圧倒的な存在感を放った元横綱・照ノ富士。怪我や病気による序二段からの陥落、そこからの異次元の返り咲きを経て、横綱へと昇進したその足跡は、多くの相撲ファンの記憶に深く刻まれています。
2026年現在、土俵を離れた彼はどのような歩みを続け、どのような未来を見据えているのでしょうか。本記事では、引退相撲や断髪式の様子、年寄・伊勢ヶ濱としての近況、そして今後の指導者としての展望まで、信頼できる公式記録と報道データをもとに解説します。
第73代横綱・照ノ富士の偉大な足跡と前人未到の復活劇

照ノ富士 春雄(本名:杉野森正山、モンゴル国ウランバートル市出身)は、大相撲の歴史において「諦めない精神力」の代名詞とも言える存在です。伊勢ヶ濱部屋(入門時は間垣部屋)に所属し、身長192cm、体重176kgの恵まれた体格と圧倒的な寄りを武器に番付を駆け上がりました。
しかし、大関昇進後には両膝の深刻な怪我や内臓疾患などに見舞われ、まさかの幕下・序二段への陥落を経験します。多くの力士が引退を選ぶような絶望的な状況から、懸命のリハビリと不屈の執念で再び関取へ復帰。大関へ返り咲いたのみならず、2021年9月場所からは第73代横綱へと昇進を果たしました。この「大関陥落からの横綱昇進」は、大相撲史上初の快挙であり、そのドラマチックな経歴はスポーツ界全体に大きな感動を与えました。
横綱在位中も怪我との戦いが続きましたが、土俵に上がれば横綱としての責任感を体現し、数々の優勝を重ねました。特に長期休場からの復帰場所で圧倒的な勝負強さを見せつけるなど、その精神力は師匠である伊勢ヶ濱親方からも「やれることは十分にやった。横綱になったこと自体が奇跡に近い」と最大級の賛辞が送られています。
照ノ富士の主な経歴・戦績とキャリアの変遷
照ノ富士の波乱万丈な相撲人生と主なマイルストーンを、客観的な事実に基づいて一覧表で整理します。
| 時期・年 | 主な出来事・キャリアの転換点 | 備考・主な実績 |
|---|---|---|
| 1991年11月 | モンゴル国ウランバートル市で誕生 | 本名:ガントルガ・ガンエルデネ(のちに日本国籍取得) |
| 2015年夏場所 | 大関昇進 | 新入幕からわずか場所数でのスピード出世 |
| 2017年〜2018年 | 度重なる怪我と病気による低迷 | 両膝の負傷等により、大関から幕下・序二段へ陥落 |
| 2019年春場所 | 序二段からの土俵復帰 | 「相撲人生を2回楽しんだ」と語る原点の場所 |
| 2020年〜2021年 | 幕内復帰・大関再昇進 | 驚異的な復活を果たし、大関へ再昇進 |
| 2021年9月場所 | 第73代横綱昇進 | 大関陥落からの横綱昇進は史上初の快挙 |
| 2025年1月場所 | 現役最後となる本場所 | 横綱在位などを経て現役引退を決断 |
| 2025年6月〜現在 | 年寄・伊勢ヶ濱を襲名 | 伊勢ヶ濱部屋で後進の指導にあたる |
2026年1月、両国国技館で行われた引退相撲と断髪式の全貌
現役生活に幕を下ろした元横綱・照ノ富士の門出となる引退相撲が、2026年1月31日に両国国技館で盛大に開催されました。ファンの熱い視線が注がれたのは、土俵の集大成となる最後の横綱土俵入りです。
この最後の土俵入りでは、長男とともに土俵に上がり、露払いに大の里、太刀持ちに豊昇龍という両現役横綱を従えるという、横綱・照ノ富士の歩んできた実績と人望の厚さを象徴する豪華な顔ぶれが実現しました。会場は惜しみない拍手と歓声に包まれました。
続く断髪式では、元3代若乃花の花田虎上氏や白鵬翔氏をはじめとする角界関係者や著名人、約330人が土俵に上がり、思いの詰まったはさみを入れました。そして、止め鋏(とめばさみ)は、入門時の師匠である宮城野親方が入れ、師弟の絆の深さが感じられる感動的な瞬間となりました。
年寄・伊勢ヶ濱としての近況と「指導者」としての未来
土俵を降りた照ノ富士は、現在、年寄・伊勢ヶ濱として第二の人生を歩んでいます。怪我と病気で這いつくばるような苦難を知る彼だからこそ、指導者としての言葉には圧倒的な重みがあります。
引退時の会見では、今後の抱負として「自分に嘘をつかない、自分を曲げない力士を育てたい。その力士は必ず強くなる」と力強く語っていました。自らが序二段から横綱まで登り詰めた経験を通じて培った「折れない心」や「妥協のない稽古への姿勢」を、伊勢ヶ濱部屋の次世代の力士たちに継承しています。
私生活では2022年11月に第1子となる長男(愛称・照務甚=てむじん)が誕生しており、父親としての責任感も背負いながら、角界の発展と強い力士の育成に向けて日々の指導に全力を注いでいます。
【照ノ富士現在】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:照ノ富士の現在の肩書や所属は何ですか?
A1:2025年6月より日本相撲協会の年寄・伊勢ヶ濱となっており、伊勢ヶ濱部屋で後進の指導にあたっています。
Q2:引退相撲や断髪式はいつ行われましたか?
A2:2026年1月31日に両国国技館で開催され、現役横綱を従えた土俵入りや約330人による断髪式が行われました。
Q3:現役時代の最大の功績や特筆すべき記録は何ですか?
A3:怪我や病気により大関から序二段まで陥落したものの、そこから執念で大関復帰、そして第73代横綱へ昇進を果たした大相撲史上初の快挙です。
まとめ:今後の動向と、元横綱が遺す相撲界への財産
大相撲の歴史に数々の金字塔を打ち立てた元横綱・照ノ富士。大関から序二段への転落と、そこからの奇跡的な復活劇は、スポーツの枠を超えて多くの人々に勇気を与えてきました。
2026年現在は年寄・伊勢ヶ濱として指導者の道を歩み始め、自身の経験と哲学を受け継ぐ次世代の育成に情熱を注いでいます。「自分に嘘をつかない」という揺るぎない信念を持った指導のもとから、将来の角界を背負う強い力士が誕生することが期待されます。土俵の上だけでなく、親方として歩み始めた今後の動向からますます目が離せません。